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コンタクト 格安について思うこと

見え方に異常があれば、見ようとする行為に非常に大きな負担がかかるのは誰でも想像できるはずですが、眼精疲労の患者さんの多くは、その人の眼の状態に原因があることが多いものです。
眼精疲労の原因となる6つの場合を示してみます。これで、この中のどれかに眼精疲労の患者さんの17%以上が含まれます。
眼鏡やコンタクトレンズの矯正が適切でない。近業が多いのに、それに合わせた矯正をしていない。
眼球運動や眼の位置に異常がある。眼の表面の異常、瞬きの異常などで常時、眼部異和がある。
視力の質を低下させるような眼疾患を持っている。視野に異常を有する眼疾患がある。
ところが、患者さんは、網膜の病気を持っているなど、視力の質や視野に影響する病気を持っていることは知っていても、それと眼精疲労とは無関係と思いがちです。しかも困ったことに多くの眼科医も、自分の病院で測定した視力さえ良ければ、眼精疲労にならないと誤解しているようです。

眼科で測定する視力は、「視力だけが眼の力ではない」で話題にしたように、生活視力そのものではありませんし、ものを見続ける持続力を測っているわけでもないことに、気付いていないのかもしれません。「見る」という行為は、相当無理をおして行っていることになり、それゆえ見続ける能力は著しく低下します。
だから、パソコン作業をしたり、ものを読んだり書いたり、運転をしたりする時に負担となって、持続しないのは当たり前これら6つの場合に属さない「眼精疲労」もあります。それは、心身の状態が不良の場合に生じるものです。
全身に感じる疲労と、眼精疲労との関連は明らかにされていませんが、「疲労」という観点から同一線上になるものと考えられます。疲労のしくみにおいては、前頭葉を含む脳の神経回路との関係や、脳内の神経伝達物質の変化などと結びつけられて研究されていますが、明らかになっていません。
前頭葉は感情と非常に強い結びつきがあるところですから、疲労と心理的問題は学問的にも注目されているところです。楽しいゲームだと、かなり眼を使って疲れているはずなのに、それほど辛く感じないということを経験したことはありませんか。
このように、同じ仕事、同じパソコン作業でも、興味がある、面白いと思う心理状態で行うと、あまり疲労は感じないことはよく経験するところです。「いつも同じようには見えない、さっき見えていたものが少し経つと、もう見えなくなっていることがある」と訴えることがあります。
さて、心身に不都合があれば、ますます能率の低下、心身の疲労につながります。もし、身体のうちでも眼球や見え方に影響するような病変があれば、ものを見るという作業の労作はさらに甚大なものになります。
よく、網膜や視神経の病気でかなり視機能が低下してしまいます。さて、以前、仮面うつ病という言葉がありました。
普通、うつ病というと、憂うつで、興味や喜びを感じなくなり、思考力や集中力が減退し、疲労感が強く、気力がなくなる状態を連想します。しかも、不眠、食欲不振、性欲消失など、生命力というか生きるエネルギーが消耗し、そ今日では抑うつ状態は「気分障害」という範囲でまとめられます。
うつ病や操うつ病には、専門的にはもっと雑多なカテゴリーがありますが、その中には、精神症状ばかりでなく、頭痛、便秘、口内乾燥、胃腸障害、心惇一凡進(心臓の鼓動が強くなったり、早くなったりする)、尿路生殖器障害戻閉や月経異常)、腰痛、肩こり、先ほど挙げた「身体症状」には眼の問題は列挙されていませんでした。眼の症状がうつ病などの精神疾患と関係するなどとは、眼科医も、精神科医もよもや考えたことはありませんでした。
仮面うつ病は、うつ病の中でもこうした身体症状が目立つことで、本来の精神症状が一見、前面に出てこない場合を指して使われた用語です。あるいはまた、内科、整形外科などの身体科の医師たちがその身体症状に囚われすぎて、実は精神疾患の一症状だということに気付かないことを警告して言われるようになった用語ともとれます。

しかし、今ではうつ病に身体症状が表れるのは当たり前、珍しいことでも何でもないとわかっています。とくに軽い「気分障害」の場合は、先に示したような身体症状が辛くて内科などを訪れることはよくあることも常識化してしまったので、「仮面うつ病」などとあやふやな病名はもはや使う必要がなくなりました。
ところが、そういう意識、知識が乏しい例外的な科がありました。それは恥ずかしながら眼科のことです。
大学は、自分の臨床テーマと関係が深い患者さんは歓迎で、丁寧に診るものですが、それ以外は重症でない限り、できれば開業医の先生か、I病院の先生にお任せしたいという考えが強いものです。私も大学時代は、自覚症状はいろいろあっても、眼に異常がない場合は軽症と考えて、再診してもらうことはほとんどありませんでしたから、精神科的疾患が隠れていても見つかるわけがありません。
ところが今私が勤務する眼科専門病院では、どういう患者さんにもある一定の回答なり、方針を示すことが要求されます。神経眼科の専門として、しかも院長として勤務している私の元には、10名以上いる一般眼科医に答が出せない症例が次々と回ってくることになりました。
もちろん、神経眼科医だから、院長だからといって、すべてわかるわけではありませんが、一般眼科医とは違うところを見せたくなるのが人情です。そうするためには、多くの答えの出にくい症例を診ながら、懸命に考え、勉強せざるをえなくなるわけです。
そういう経緯で、「心療眼科とはなにか」で触れた、「眼や視覚の不都合の原因となるものが、眼科臨床のいろいろな検査法を駆使しても見つからない」という患者さんが、私のところに集まってくるようになりました。眼に原因がないなら、脳の神経回路に問題が生じているのではないかと考えるのが神経眼科医の習性です。

そこに、精神医学的な知識を導入すれば解決する場合があるということに気付くのに、それほど時間は必要ありませんでした。精神医学も結局は脳の問題を扱います。
その点は神経眼科も同じなので、ふたつの間の距離は意外に近かったのです。それで、精神科学の教授に相談したり、実際に患者さんを診てもらったりしながら、解決できる例が増えてゆきました。
眼も身体の一部です。先に挙げた身体症状の中に、眼の問題が含まれなかった医学的理由があるはずがありません。
むしろ、眼や視覚は敏感すぎる組織であり、機能です。眼という例外があったのではなく、単に気付かなかった、知らなかっただけなのです。
例の精神科教授も、精神科と眼科は関係が薄いという説をついに撤回し、「そろそろ、軽い症例は若倉のほうで診てほしい。どの身体科にも精神医学的問題を抱えている患者さんがいるが、それを全部精神科や、心療内科で診ていると溢れてしまう。
それに、患者さんは「身体症状のある科で診てもらっていると安心する」などと、少し上げはじめたのでした。眼科の患者さんだって溢れているのに、と思いながらも、それも一理あると思い直しています。
それでも、どうしても精神科で診てもらわねばならない症例は、年間3例くらいは出てきます。

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